mayugeのダラダラ放浪紀 ニッポン人が無性に憧れる国。イタリア (Italy)

「ミラノ」篇 (Milano)


 予定変更!


やっと慣れたんだけど……

遠くには雪をかぶった山が

イタリアの北の玄関口、ミラノ中央駅

これが駅!?と思わせる外観
 2001年6月20日(水)。

 十六世紀へのタイムトリップを楽しんだものの、またまた蚊の餌食になってしまったヴェネツィアを発つ。海の近くはやはり危険だ。早く山へ逃げなければ、というわけではないのだが、この日に国境を越え、山岳地帯の国、スイスに入国することにした。当初はミラノにもう一泊と思っていたのだが、ヴェネツィアで“あの場所”にも会えたし、ここのところ暑さにやられて体調が心配だということもある。

 ってことは、イタリアのバールで立ち食いするのもこれが最後になるかも。朝のヴェネツィア・サンタルチア駅でカフェラッテをすすりながら思う。

 午前7時43分、列車IC33610は定刻通りにヴェネツィアを出発。

 パドヴァあたりからではすでに平原の景色は終わり、遠くに山脈が見えるようになってきた。ヴィチェンツァ、ヴェローナと進むと、山はどんどん近づいてくる。

 正午前、ミラノ・セントラーレ駅に到着。ここでスイス行きの国際急行に乗り換えるのだが、ニ時間ほど空きができてしまう。昼飯がてらちょっとだけ観光してみようかな。

 都へ


フィレンツェとは違った迫力がある

Sグラスがこれまた見事

確かに森だわ

マンゾーニ通りにはトロリーバスも走る
 大荷物を預け、メトロで四駅、Piazza Duomo駅で下車。

ーです、ここにもあるんです、ドゥオーモが。

 しかしこちらのドゥオーモは、フィレンツェのものとは些か雰囲気が違う。

 ちくちくした感じだ。

 本によれば、こーいうのは「ゴシック様式」というのだそうだ。ナニナニ? ゴシックとは“森の印象を建築にまとめたもの……”。ほほーん、そー言われると、もりもりした感じにも見えるね。

 どれどれなかに入ってみるか。  堂内はとてつもなく広い。すごい数のベンチが整然と並んでいる。外とは打って変わって薄暗い通路を奥まで進むとステンドグラスで埋め尽くされた大きな窓が三つあった。小さな枠ひとつひとつに、何やら説話のような場面が表現されている。一番奥のベンチに腰掛け、天井や桟にある装飾をしばし見学。

 入口に引き返すとき、堂内の端にいくつかの小屋が並んでいるのに気づく。それには小さな窓があって、なかに神父さん(牧師さん?)が座っている。窓の前にひざまずいて何やら神父さんと話し込んでいる人もいる。これって、あの懺悔? それにしては開けっぴろげで、フランクな話をしているように見えるなぁ。

 再び外に出ると陽射しでクラっとする。見上げると、ドゥオーモの森のようなとげとげの間から、太陽がおりゃーっとばかりに照りつけているのが見える。皆さん、夏のイタリアの陽射しには要注意です。サングラス、帽子、マル必。

 さぁ飯だ。ドゥオーモ横のアーケード「V・エマヌエーレ2世のガレッリア」にある店でピッツァを注文。これもひとまず食べ納めかな。

 食後はこれまた最後のジェラートを食べながら、メトロが下に走るマンゾーニ通りを一駅分歩く。これでセントラーレ駅に戻るとちょうどいいかな?

 ミラノはファッションの街で、おしゃれなミラネーゼたちがうようよしているものと思っていたが、ローマとそんなに変わらなく感じた。会社員時代は、年齢の比較的近い“おしゃれ番長”の先輩から、スーツ姿について「お前、こんなパンツ太かったらイタリア入国できないよ」とか「ネクタイの結び目は縦長っぽくして、ちょっと崩すんだよ。こんなんじゃ、ミラノの駅で追い返されるよ」なんて冗談交じりに指導されたもんだが、ここで目にしたミラネーゼたちよりも彼らのほうがむしろおしゃれという印象。
 いよいよ越境

雪山が近くに見えてきた!

 午後2時10分発のIC332で、スイスでの乗り換え駅シュピーツ(Spiez)を目指す。ヴェネツィアからミラノは西への移動だったが、ここからは北に向かうことになる。

 約2時間ほど走り、大きな湖沿いに進んだところのDomodossolaという駅で停車。この先が国境になるらしい。再び出発した列車は長いトンネルを抜ける。二回めの検札に来た車掌が先ほどとは変わった。どうやら国境手前の駅でスイス国鉄の職員と交替したのかもしれない。

 ハンニバル、カエサル、ナポレオンといった名将たちが命懸けで越えたアルプスを、僕は「穴」で抜けちゃいました。

2001.06.20 ミラノ〜シュピーツ列車内にて

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