mayugeのダラダラ放浪紀 アジアとヨーロッパにまたがる国。トルコ (Turkey)

「カッパドキア」篇 その2 (Cappadocia-2)


 奇岩満喫

 5月25日(金)。今夜は夜行バスで次なる目的地に向かうため、朝食の後ホテルをチェックアウト。まとめた荷物はホテルに預かってもらうことにした。

 さて今日も一日カッパドキアで過ごすぞ。まずは腹ごなしにギョレメの村の中を歩いてみる。朝っぱらから陽射しは強烈だ。アンカラ〜マラティヤ間の夜行バスで帽子をなくしたことが恨めしい。白いタオルを頭に巻いて、何となく高いところを目指す。坂を上がりつつ振り返ると、泊まっていたホテルやオトガルなんかが徐々に見えてくる。これは丘の一番上からならきっともっといい景色に違いない。迷路のような道であったが三十分も歩くと小高い丘のてっぺんに辿り着いた。


ドドーン!

 本当に凄い景色じゃないか。というわけでヒマラヤ以来のパノラマ撮影。


ギョレメ村にある丘の上からの360度パノラマ (画像をクリックすると大きい写真が開きます)

 ホテルやオトガルはもちろん、昨夜訪れたレストランやインターネット・カフェ「C@ppadocia」なんかも見える。これは絶景だ。しばし360度の大パノラマを楽しむ。それにしても丘のてっぺんは風が抜けて心地よい。景色を堪能した後はすかさずデイパックを枕に上半身裸でうたた寝をこく。


 昼前には再び行動を開始。オトガル近くのレンタサイクル屋でマウンテンバイクを借り、散策に出掛ける。がしかし、自転車のギアがおかしい。ガリガリ言っているかと思ったら、そのうちすぐにチェーンが外れてしまったではないか。「むむー!」。怒り心頭で店に戻り、クレームをたれつつ他の自転車を試すが、なかなかまともなのが見当たらない。結局店が薦めた「新品」というやつはすべて駄目で、やや古そうなものが最もまともであった。


野外博物館の岩窟教会
 そんなわけで、最初の散策ポイント「ギョレメ野外博物館」についたときには昼をまわっていた。

 ここは、内部に見事なフレスコ画が残る岩窟教会が保存されていて、入場料を払って門をくぐるとそのいくつかを覗くことができる。中にはおみやげ屋になっている岩窟もあり、狭い入口を入ってみて「あっ、これは失礼。みやげは要りません」なんてことも。

 続いては再びチャリにまたがりローズバレー方面を目指す。手元にはアバウトな地図しかないので、目と勘だけが頼りだ。ギョレメから続く舗装道路をしばらく行くと、脇にそれる未舗装の道が続いているのが見える。その方角を辿ると、どうやらローズバレーに行きそうだ。せっかくマウンテン・バイクなんだし、これはチャレンジでしょ。

 というわけでその道に踏み入れる。しかし道は土ではなく砂でできていた。最初のゆるい下り坂のうちはよかったのだが、そのうちにペダルを漕いでも漕いでもなかなか前に進まない状態になってしまう。こうなれば18段変速のギアも無用の長物。マジかよー(涙)。振り返ればこの道の入口もすでに見えない。実は結構な距離を来ていたのだ。これを戻るのもかなりメゲそうだ。辺りは一面の大草原。家などありはしない。そこでしかたなくチャリを降りて手で押しながら歩いて行くことに……。


見どころ(8)「チャウシン」
 肩を落としつつも、小高い木々が茂った林を過ぎたところでふと右手を見ると、なんとそこには壮大な光景が広がっているではないか(写真右)。

 これも凄い。

 赤茶けた岩がニョキニョキと群生している様は圧巻だ。その景色に励まされたマユゲ、途中、干上がった小川に道が分断されていたものの自転車を担いでそれを乗り越え、さらに進んでいく。

 するとやっと村らしきところに出くわした。持ってきていた水も既に飲みきっていたため、目についた商店に駆け込む。そしてここでコーラを一気に飲み干す。ああー生き返った。こういう時はやっぱりビンがいいね。この腰がくびれたコーラのビンを見るのは実に久し振りな気がした。お店のご主人にここはどの辺りかと尋ねると、英語は分からないようではあったが、大雑把な地図に印をつけて「チャウシン」だと教えてくれた。


こんなのもあれば……、

こんなのも……(見どころ(9)「チャウシン」)
 そうか、それではさっき見た景色はちょうどローズバレーの麓あたりだったってわけか。そうだ、おじさん、もうひとつ聞いていいかな。きのこの形をした岩があるって聞いたんだけど、どこにあるか分かるかな? マユゲが地図の空いたところにきのこの絵を描いて尋ねると、おじさんは嬉しそうに「パシャバー」と答えて地図にまた印をつけてくれた。

 ありがとう、おじさん。

 携帯用にペットボトルの水を買って再び出発。ここからは道が舗装されているので助かる。すると大通りに出たところで、前日のツアーで一緒だったドイツ人の夫婦に再会した。彼らはタクシーで移動しているらしく、自転車にまたがるマユゲを見て驚いた様子であった。それはそれでちょっと誇らしげではあったが、内心はタクシー移動が羨ましかったのも確か。というのも、自転車だとちょっとした登り坂でもすごくきついのだ。もうすでにケツが痛い。

 彼らと別れ再びえっちらおっちらと自転車を漕いでいくと……、ありました、「きのこ岩」が、次々に。

見どころ(10)「ゼルヴェ」
 本当にこれらは不思議の一言。固さの異なる地層が長年の雨風による侵食で残ったものだとは理解しても、こんな形になって残るとはねぇ……。「石」だけに、何らか神の「意志」のようなものを感じたりして。

…………。

 まぁ、それはいいとして、ここパシャバーからさらに進むと、前方にはゼルヴェの奇岩群が見えてきた(写真右)。ここゼルヴェにも野外博物館があるらしいのだが、もうこの頃には奇岩たちを既に満喫していたため、中に入ることはしなかった。

見どころ(11)「ローズバレー」
 というわけで自転車の向きを変え、再びもと来た道を戻る。グランドキャニオンのようなローズバレーの雄々しい景色を目に焼き付けつつ、汗をかきかき砂地の道を行く……。


もう夜行バスも慣れっこ。深夜のトイレ休憩
 その夜はまたまた夜行バス。宿で久し振りにダナ譲とセルヴェア嬢に会ったので聞いてみたところ、彼女たちもその夜のバスで次の場所に向かうという。それじゃぁ、旅の幸運を、とお別れの挨拶をしたのものの、結局実はまた同じバス。マユゲは次の目的地に行くためにデニズリという街で途中下車するのだが、彼女たちはさらにその先のイズミルまで行くらしい。

 そうか、じゃぁ、道連れも今日までだね。

 旅暮らしにおける出会いと別れの切なさが、ちょっとだけ胸に込み上げるマユゲであった。


2001.05.25 ギョレメ Blue Moon Motel にて

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