mayugeのダラダラ放浪紀 誰が言ったか「やすらかなる国」、タイ〜PART2 (Thailand 2)

「バンコク」篇 その3  ( Bangkok・3 )


マユゲ、「立ち技格闘技、世界最強」を見る

 長ーい列車の旅の後は、短時間で熱く燃える男の闘いを観戦。

 ムエタイです。

 2001年3月16日(金)午後6時、タイ陸軍系のムエタイ試合が行われるルンピニー・スタジアムへ乗り込む。リングサイド席のチケット(胸にシールのようなものを貼られる)を買い席へ。リングサイド席には早くも外国人観光客が陣取っている。なかでも日本人が圧倒的に多いようだ。二階席、三階席はまだまだガラガラ。

 30分ほど待つと前座の試合が次々に開始された。試合は1ラウンド3分×5ラウンド。KOでない限りは5ラウンド終了後にリング下にいる3人の審判による判定となる。

 各対戦の試合前には伝統音楽が生演奏で流れ、選手は"ワイ・クルー"という踊りを舞う。膝をついて腕を広げたり、クルクルッとまわしたりする、アレである。リングで紹介を受けワイ・クルーを舞う選手たちは、まだまだ少年といった感じであったが、いざ試合が開始されるとその動きはさすがの一言。

 贅肉を削ぎ落とし、鋭く彫り込まれた体から繰り出される技が見るものを圧倒する。

 前座の軽量級の試合だと、離れたところからの攻撃よりもクリンチ状態からのもみ合いになることが多い。採点の際にパンチよりも蹴り技の方がポイントが高いらしく、こうした接近戦になると両者しきりに膝を繰り出す。面白いことに、選手が繰り出す膝蹴りにあわせて、その選手を応援する観客が「オーイ!」と声を出すのだ。

 試合が進み、気がつけば二階席、三階席も観客で埋まってきていた。しかも異常な熱の入れ様。それもそのはず、皆、非合法ではあるが「賭け」をしているのだ。1ラウンドが終わると、選手の様子を見た観客たちが大声で何か叫びながら賭けのサインを出し合う。その後のラウンドでは、応援している選手が蹴りを出せば一緒になって「オーイ!オーイ!オーイ!」と喉を枯らして絶叫。このようにしてスタジアムは異常な盛り上がりを見せる。

 そして前座二試合の後、1stマッチ、2ndマッチと続き、計五試合めの3rdマッチ。「赤コーナー・ペットアヌーン」対「青コーナー・タノンサク」戦。この試合は見ごたえがあった。

 試合前は、やはり踊る。
(写真右はペットアヌーンのワイ・クルー。Pls.Roll Over!)

 このクラスは身長・体重ともに大きく、迫力がある。審判のFIGHTの合図で試合開始。第一、第二ラウンドはお互い様子を見ながらの攻撃だったものの、第三ラウンドになると赤コーナー・ペットアヌーンによるポイントを稼ぐ効果的な攻撃が目立ってきた。しかし青コーナー・タノンサクもがむしゃらな攻撃でペットアヌーンのまぶたを切るパンチを繰り出し応戦している。

 ラウンドの合間はトレーナーがマッサージ。セコンドの指示に耳を傾けるペットアヌーン。振り返れば、二階席の観客がリングサイドとの境界にある柵にしがみついて選手に向かって「もっと膝を使え! こうだよ、こう!」とばかりに身振り手振りを添えて怒鳴っている。これをまた選手が「うんうん」と聞くから面白い。第四ラウンドもペットアヌーン優勢で終わり、いよいよラスト・ラウンド。

 まさに一瞬だった。ポイント不利を自覚し猛攻をかけてくるタノンサクのパンチをかわし、ペットアヌーンが繰り出したカウンターの右フック。これがきれいにタノンサクの顎を捉えた。ガックリと倒れ込んだタノンサクは動くことさえできない(写真右)。見事なノックアウトであった。
(Pls.Roll Over!・この後タノンサク選手は担架で担ぎ出されていった)

 この後、メインイベントを含め数試合を観戦したマユゲは、非常に満足して会場を後にした。

 ちなみに選手とは、試合後このようにカキワリの前で記念撮影もしてもらえる。腫れぼったい目をしながらもニッポンの美女に囲まれちょっと照れる若きムエタイ選手。

 リングサイド席は1,000B(約2,700円)と、タイの物価に照らすと高かったが、いやー実に見ごたえがあった。皆さんもタイに行かれた際には、是非。

(曜日によってはマユゲが見た陸軍系のルンピニーではなく、王室系のラーチャダムヌーンの試合も見られることと思います。※会場は別)


2001.3.16 バンコク サヤーム地区  PRANEE BUILDING 22号室にて

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