mayugeのダラダラ放浪紀 誰が言ったか「やすらかなる国」、タイ〜PART2 (Thailand 2)

「サムイ」篇 ( Koh Samui )


大雨雲が足止め

 2001年3月11日(日)。今日も空は荒れ模様。近くのスーパーでセット安売りしていた水を買ってきたものの、陽射しカンカンのビーチで日光浴!とはいかない状況なので減りが遅い(写真右)。

 すでにバンガロー備え付けの棚をフルに使って生活環境を整えつつあるマユゲは、少々手持ち無沙汰の状態だ(写真右)。

 食事も必然的に宿のレストランを利用することになる。幸いここBEER'S HOUSEの料理は美味しいので、それなりに楽しみがあって助かる。この日の夕食では、「トムヤムクン」に挑戦(写真右)。ビーチで汗をかかない代わりに、レストランで汗だくになったりして。うーーーっ、マジ辛い。頭皮から汗が噴き出してくる。でももう一口! 結局ほぼすべて飲み干してしまった。そしてヨーグルト・ミルク・シェークで、胃腸および翌日のおしりのケアも忘れないマユゲであった。
ST.Map of asia 荒天が続くと、インターネット・ショップにいる時間が反比例して長くなる。ショップのお姉ちゃんから教えてもらったKoh Samui予報サイトを見たり、タイの他のビーチの予報を見たり。もしどこか他で晴天が期待できるところがあれば移動してしまおうかとも思ったが、どうやらタイ全国的に愚図ついた天候の模様。象さん型の国土に大きな雲がかかってしまっているらしいのだ(衛星写真:右)。

 すっかり常連になってしまったマユゲは、自分のVAIOをインターネット・ショップに持ち込み、店の片隅で電源だけ借りてダラダラ記を書いたりしている。バンガローだとやっぱり、狭く、暗く、その上机がないからベッドにあぐらをかいて入力することになり腰に悪い。

 あっ、雨がまた強くなってきた。ショップのお姉ちゃんと顔を見合わせ、肩をシュラッグ……。窓から空を見上げつつ、ちょっとした足止め、これもまた一興か、と坊さんのような心境に達するマユゲであった。

グッバイ、BEER'S(涙)!

 翌2001年3月12日(月)、結局ズルズル三泊したBEER'S HOUSEを離れることにした。理由はただひとつ。ホットシャワーがないからである。晴れてさえいれば、そんなもの必要ないのだが、太陽がこれだけ出ないとさすがに冷水では厳しい。

 ここでの朝の定番、バナナ・パンケーキもこれで食べおさめか(写真右)。

 ワン公も、しっぽでマユゲの足を撫でて別れの挨拶(写真右)。

 さてバンガローに戻って、すっかり広げてしまった荷物のパッキングに取り掛かるとするか。ここBEER'S HOUSEは、安いわりにきれいだし、ランカウィにはなかった網戸もあったし(蚊除けはマル必)、静かだし、そして何よりビーチまで歩いて10秒というロケーションだし、なかなかの宿であった(写真右)。


 出発に備え、各種の準備を進める(写真右)。ここで注目すべきは写真の左隅に見える白いトリガー付ホースと便器の隣にあるバケツ(中には手桶)。お分かりだと思うがトイレット・ペーパーは使わないのだ。さすがに手桶は使いこなせないマユゲも、ここではすっかり白ホースの使い手になった。ランカウィでジェッティの公衆トイレに駆け込んだ際、ほっとしたのも束の間、紙がないことに愕然とし、泣く泣く"ペーパーレス"デビューを果たしたマユゲも、今ではすっかりこの"セルフ・ウォシュレット"のファンになっていた。用を足す前にバケツの水を汲みはじめ、終わるとトリガーでシュッ。ちょっとした自然乾燥ののち、バケツでザァーッと流す。いたってシンプル。慣れれば慣れるものだ。

 準備が整い、食堂奥にあるレセプションで会計を済ました後は、突然プラッと現れたマユゲにとてもよくしてくれた宿のご夫婦に別れの挨拶(写真右)。また是非訪れたいものである。

BEER'S HOUSEを後にする。

 親切にもご夫婦はホットシャワー付の宿を紹介してくれた。再びバックパックを背に、弓なりのビーチを南西に向かって歩く……。
仮面ライダー・マユゲ、参上。

 この日は夕方になってようやく日が射した。次なる宿SAND SEA RESORTにチェック・インを済ませたマユゲは、待ってましたとばかりにモトバイをレンタルして出掛ける。ラマイ・ビーチの北側、チャウエン・ビーチのビーチ・ロードに差し掛かると、晴れ間を見つけて宿から溢れ出してきた観光客でごった返していた。ここチャウエンはラマイよりも観光化が進んでいてにぎやかなところなのだ。ここではヨーロピアンたちに交じって、ウェスト・ポーチまたはショルダー・バッグ斜め掛けにコットン・ハット、そして二人組以上という定番日本人スタイルも見受けられた。冠水したところを徐行で通り抜け、さらに先に進む。

 するとまた雨が降ってきた。やはりまだまだ本晴れとはいかなかったか。マユゲのモトバイは間もなく、島北部にあるビッグ・ブッダ・ビーチに到着。このビーチの近くには寺院があり、その名の通りビッグ・ブッダ(大仏)が在らせられるのだ。しかも金ピカ(写真右)。

 モトバイを停め、より強く振り出してきた雨の中、境内の階段を裸足になって駆け登る(土足厳禁なのだ)。こんな雨の中でも観光客はパラパラと来ている。レインコートを羽織って、普通の人、という顔をしたビッグ・ブッダを見上げているが、みなそそくさと引き上げて行く。

 マユゲも階段を降りようとしたその時、遠くの海面に何者かの動きを発見(写真左・Pls.Roll Over!)。

 腰まで海に浸かった人間が竿のようなものを振り回している。「???」。まわりが暗いので海面も濃い色をしており、てっきり深いのかと思っていたが、実はここは遠浅の海岸であったらしい。彼らがこの雨の中頑張っているだけに、さぞかし新鮮なシーフードが食べられるのだろう。

 今度こそ階段を降りると、先ほどビッグ・ブッダを見上げていた観光客たちが、何やらゲーム?のようなものに興じている(写真右)。よく見れば、「FORTUNE TELLER BOX」との看板。タイ版おみくじ、といったところか。ここで「凶」が出ると明日以降の天気が心配なので素通りしたマユゲは、再度モトバイにまたがり雨の中を宿に向けて走り出す。あたりはすっかり暗くなっていた。

 しかし、雨はその強さをどんどん増していく。細い道路は至るところ冠水で、モトバイでは通行できなそうである。しかたなく多少遠回りになるものの島内を環状に巡る幹線道路に回避し、叩き付ける雨の中を走る。ハイ・ビームにしかならないポンコツ・モトバイでは視界も悪く、ビショビショでさすがにメゲかけたマユゲは途中の食堂で雨宿り。ここでエネルギーを貯えたものの、直接体に当たる雨だけは何とかしたいものだ。

 マユゲはここで名案を思い付いた。目に付いた商店横でおもむろにモトバイを停め、ずぶ濡れのまま店内へ。そこで、束で売られているゴミ袋を指差し、「これを一枚だけください」。勘のいい店主のおじさんは店の奥から黒いゴミ袋を一枚とハサミを持ってきてくれた。店主の娘さんだろうか、小学生くらいの女の子が不思議そうに見守る中、ゴミ袋の三ヶ所にハサミを入れ、あっという間に即席レインコートが完成。彼女は、マユゲがそのゴミ袋を背中のデイパックごとスッポリかぶったところで「!」と納得した様子。そしておじさんの暖かいサービスに礼を言って再び雨の中へ繰り出す。相変わらずの強い降りであったが、即席レインコートの首尾は上々、これなら凍えずに宿まで辿り着けそうだ。

 幹線道路ではあるものの途中冠水個所はいくつかあった。中でもひどかったところでは、モトバイの床上浸水、サンダルも水の中で、エンジンも水に浸かってしまっていた。よくもこれでエンストしないものだと感心しつつ、対向車が起こす波にハンドルを取られないようにして前傾姿勢のマユゲは進んでゆく。もうこうなると、雨が降った日のラグビー部状態。どうせパンツまで濡れちゃうんだから、雨を楽しんじゃえーっ、という逆ハイ・モードである。

 前を走る乗合タクシーも深い水の中、奮闘中。ピックアップ・トラックの荷台部分が客席になっているのだが、そこの乗客達が、マユゲが冠水地帯を抜ける度に歓声を上げるようになる。彼等にしてみれば退屈凌ぎのショーといったところか。無事すべての冠水地帯をクリアしたマユゲが、客を降ろすために車道の端に寄ったタクシーを追い抜くと、より大きな歓声が沸き起こった。軽く片手を挙げてそれに応えたヘルメット、サングラス、ゴミ袋ベスト姿のヒーローは、赤いマフラーを風になびかせてそのまま宿へ向かった。この夜、ホットシャワーが大活躍したことは言うまでもない。

お天道様、バンザイ!

 翌2001年3月13日(火)。

 予約状況により一泊しかできなかったSAND SEA RESORTを後にしたマユゲは、バックパックを背負いモトバイにまたがりまた宿探し。何軒かあたったところ、ビーチ中央部でナイス・バンガローを発見。部屋とシャワールームのチェック後、二泊を条件に少し安くしてもらい荷物を降ろす。すると外がカーッと明るくなってきた。外へ飛び出せばそこには久し振りの青い空(写真右)。

 よっしゃーっ。待ってたぜー。

 さっそく海パンに着替え、サングラスとサンローションを持って数日振りのビーチの人となるマユゲであった。

気をつけたいのは“Y-CAB行為”だけじゃない

 さらに翌2001年3月14日(水)。この日も文句のないビーチ日和(写真右)。さっそく朝からビーチにバスタオルを引いて寝転がる。

 この空を待ちわびていたのは何もマユゲだけではないようだ。隣に陣取ったグループのひとり、お調子者らしきおじさんが、エア・マットに空気を吹き込み波の中へ繰り出していった(写真右)。この日も波はそこそこ高く、おじさんは波の向こうに消えてはまた戻ってきて、打ち上げられる。
いい歳こいて、この単純な動作を何度となくアホのように繰り返していたが、その嬉しさ・楽しさはマユゲにもじゅうぶん分かった。

 左右を見渡せば、それ以外にもこの陽射しを待ちに待っていた人々が大勢ビーチに繰り出してきているのが見える。近くにはトップレスの女性陣も多数有。「2号」(詳細は「ランカウィ篇」参照)に見せてやりたかったな。

 ただし、きれいな人もいるがそうでない人も、いる。スーパー・デブで、汚らわしいお乳ぶら下げて一日中ホットドッグやらパンケーキやらをムシャムシャ食い散らかしている品の悪いオールド・レディには、気分が悪くなった。この婆ぁときたら、食べ物の匂いにつられてしっぽを振って寄ってきたワンちゃんを「これはアタシの食べ物よっ」とでも言うかのように引っぱたいて追い払いやがった。この姿を目にしてしまった時は、てめぇがどっか行け!と怒鳴ってやりたくなったものだ。

 世界どこへ行っても、その人の「品」は否応なく露呈する。


2001.3.14 サムイ島  SUN  SPLASH  RESORT    Bungalow No.4にて

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