mayugeのダラダラ放浪紀  誰が言ったか「やすらかなる」国、タイ ( Thailand )

「バンコク」篇 ( Bangkok・U)


マユゲ、寝釈迦と相対す

 2001年2月23日(金)、快適な宿、THE BED&BREAKFASTで気持ちよく目覚めたマユゲは、トーストとフルーツを平らげ、コーヒーで朝食を仕上げた。

 さっそく行動開始。昨晩のうちにある程度考えておいたコースをなぞる。まずは、宿の近く「国立競技場前駅(National stadium station)」からスカイトレインに乗る。
Sky train
 台北のMRTのような交通機関で、こちらは高架をはしるのでこの名がついているという。これも1996年当時はなかった。現在2路線が走っているが、シーロム線という方に乗る。

 車内は平日の昼間とあってガラガラだった(写真右)。

 お客の数の寒さに加え、南国特有の極端な冷房で、凍えるほど寒い(そりゃちょっと言い過ぎか)。

 そして終点の「タークシン橋」にて下車。ここは、バンコクの中心部を流れるチャオプラヤー川に接していて、ここからエクスプレス・ボート(水上バスのようなもの)に乗れるのだ。これなら暑い中歩き回らなくていい。

bus boat
 駅の目の前にある船着き場で待つこと30分。お目当ての各駅停車(船?)がやってきたので、乗船。さすが「東洋のベニス」、エクスプレス・ボート以外にも、渡し舟やら水上タクシーやら、乗合い船やら結構な交通量だ。気持ちいい風に吹かれながら約15分ほどで、「tha tien(ター・ティアン)」という停船場に到着。料金は、たったの8B。

 ここ「tha tien」を降りてすぐのところに、大寝釈迦仏で有名な「Wat Pho(ワット・ポー)」というお寺があるのだ。入館料20Bを支払い境内に入ると、ヨーロッパ系の観光客がたくさんいた。きっと彼らにとってこういうブッディズムは日本人以上に新鮮な驚きや興味があるのだろう。

 門を入ってすぐ右手にいきなり「大寝釈迦仏」のいる堂がある。堂の入り口には英語の案内で「RECLINING BUDDHA」とある。リクライニング・ブッダねぇ、よく言ったもんだ。さっそくサンダルを脱いで下駄箱に入れ中へ。土足厳禁なのだ。中は、外とは打って変わって涼しいな、なんて思っていると、

RECLINING BUDDHA
 いきなりピカピカの御尊顔が現れた。

 ここのお寺はもったいぶらないのね。おいしいところがいきなりだもんね。いやぁ、ホントにばかでかい。ばかなんて言ったらばちが当たるかもしれないが、××でかい。堂に漏れて入ってくる光がまばゆいばかりの黄金の肌に当たり、荘厳な色彩を放っている。

 気持ちよさそうな目しとるわ。
 それにしても耳たぶ、でかっ。

 通路は一方通行で、顔からお腹、足、そして背中に回ってEXITというコース。


 寝釈迦さんの周りには、柱が数メートルおきに立っているので横を歩いていても、見えるのは隙間から覗く部分のみ。御堂の角、寝釈迦さんのちょうど足元に来ると始めてその全貌を見渡せるのだ。

 観光客はここで一斉に記念撮影。長さ46mというから、約50ヤードだろ?こりゃ、かなりでかいわ。足をピンピンに伸ばしているけど、それってかえって疲れない?とかくだらないことを考えつつ、かかと側に回る。


 足の裏には108の真理とやらが刻まれている。ガイドブックによると、足の裏に土踏まずがないのは、その人が超人であること示すブッダの32の身体的特徴のひとつなんだとか。

 俺も結構土踏まず平らなんだけどな。


 観光客は足の裏を見終わるとそそくさと出口へ向かう。最後にふと見上げると、寝釈迦さんのうなじが……。

 枕ちょっと高くない?

 余計なお世話と怒られそうなので、これにて退散。

Towers ここワット・ポー内には「リクライニング・ブッダ」以外にもいくつか見物ポイントがある。

 旧王朝の王たち(ラーマ一世から四世まで)の遺骨が納められているという仏塔がそのひとつ(写真右)。いかにもタイ!という感じのきれいな装飾だ。

Main hall of Wat Pho

 境内の中央にある本堂内も一般に開放されていて、御本尊を前にお祈りしたり、瞑想したりできる(写真左)。

Everyone sitting by Thai style
 ここでは西洋人もタイ仏教スタイルの座り方(写真右)。ダラっとしててなんか笑えます。

 タイのお寺の建物は、風の通りがとてもよい。きっとそよ風が通り抜けていくよう設計されているのだろう。あれだけ暑い外がうそのようだ。当然マユゲもダラダラ座りでしばし目を閉じ、爽やかな風を感じて時を忘れる。

其処は別名、「エメラルド寺院」

 ワット・ポーを出たマユゲは、隣にある「Wat Phra Kaeo(ワット・プラケオ)」という寺に向かった。地図で隣だと思って油断していたのだが、ワット・プラケオは王宮と同じ敷地内にあり、これがまたものすごく広いわけ。そんでもって入り口がワット・ポーと正反対のほうにあるもんから、直射日光が照り付けるなか約15分テクテクと歩く。帽子持ってきてよかったー。それと、水分補給はマメに行わなければダメ。

 やっとのことで、入り口にたどり着き中へ入ろうとすると、警備のお兄さんに呼び止められた。そうだ、ここは短パン禁止だった。ここワット・プラケオと王宮では礼儀正しい服装が求められ、タンクトップや短パンなど肌を露出する服装は厳禁、女性の場合、シースルーのような肌が透ける素材の服もNGなのだ。要は黒服のドレスコードで引っ掛かったわけ。でも心配はいらない。入口横の事務所に身分を証明できるドキュメントをデポジットとして預ければ、長ズボンなどを貸し出してくれる。もちろん無料。クレジットカードを預けるのはなんとなく嫌だったので、より一般的らしいパスポートで対応。マユゲに与えられた長ズボンは、ちょっと湿っててヤな感じだったが、とりあえずはこれでGo inside。

 中にある入場券売り場で券を買い(200B、こっちは高っ!)、ワット・プラケオ内へ。

"guards"in Wat Phra Kaeo
 入るとさっそくすばらしいタイ芸術の数々が現れる。

 門を守る一対の守護像(写真右)。

 やはりここでも「阿」と「吽」なのかと思ったが、二人とも「吽」だった。しかしゴールドに青がのると、とてもエキゾチックな響きを持つねぇ。

 ここからは写真を中心にご紹介しよう。

gold tower in Wat Phra Kaeo
黄金に輝く塔、プラ・シーラタナー・チェディ(写真左)。
この様式はスリランカから伝わったものとか。

Emerald Buddha
 そして本堂(写真右)。本堂の内部は撮影も禁止なので、外からズームで盗み撮り! 中央に見える金色の衣服をまとった小さな仏様が御本尊。とても崇められており、年に三回季節の変わり目ごとに儀式が執り行われ、国王自らがこの仏像の衣装を取り替えるという。顔の部分はエメラルドのような深く透きとおった緑色をしている。実際はひすいという石らしいのだが、この御本尊のエメラルド色から、ここワット・プラケオは別名「エメラルド寺院」と呼ばれているのだとか。


 本殿外側の回廊と壁も見事の一言(写真左)。
ゴールドを中心とした装飾、壁を埋める仏像。
マユゲも思わず息を呑みます。

"Smiling" Buddha
 本殿の隣には、プラサート・プラ・テープビドーンという名の御堂。それを取り巻くように数々の仏像たちが並んでいる。

 やわらかな表情でたたずむ仏さまもいれば、(写真左)

"Cring" Buddha
 暑さにやられ(?)苦悶の表情で立ち尽くす仏さんも……(写真右)。

"Lifting" guard
 プラサート・プラ・テープビドーンの横には二つの黄金の仏塔があり、それを支える像たちもきらびやか(写真左)。

暑いなか、ご苦労さんッス。
(写真にマウスポインタを合わせると、より頑張っている目が分かります)

 この色合いを見ると、耳もとでカールスモーキー石井が「♪ ト〜ラ〜ンク ひと〜つ〜だ〜けでえ〜♪」と歌っている気がするのは、俺だけだろうか? あーなんか若かりし頃の歌って感じで切なくなっちゃう。

Angkor Wat ? さらに裏手にまわると、そこには!

 なんと「どこでもドア」があり、いきなりカンボジアのアンコールワット遺跡にワープできるのだった!(写真右)

It's a miniature
 な、わけなし。これはミニチュア(写真左)。本物のアンコールワットを目の当たりにしたラーマ四世という王様が、その感動を自分の国の人々に伝えたくて作らせたのだそうだ。細部まで精巧に再現されていて、東武ワールドスクエアも真っ青。


 ワット・プラケオを出ると隣には王宮がある。二頭の象の像(シャレじゃないです)の前には、台湾の「忠烈祠」にいたのと同じような衛兵さんが立っていた。観光客は、やはりここでも記念撮影(写真左)。

 二人いたうちの向かって左は蝋人形状態の心頭滅却ぶり。それに引き換え右の衛兵さんはまだ新米なのか、目をきょろきょろさせていた。

 ごめんな、細かいとこ見てて。

カオサンは永久に不滅です

 王宮見物を終え、入り口事務所でパスポートを受け取り短パンに着替えたマユゲは、次にカオサン・ロードを目指す。五年振りのカオサンはどうなっているのだろうか。

 ワット・プラケオ前の食堂で遅めのランチをとった後、川へ向かって歩く。ここの近くには「tha chang(ター・チャン)」という船着き場があるのだ。カオサン近くの船着き場「phra athit(プラ・アティット)」までまたエクスプレス・ボートで一休みだ!

 これまた30分ほど待って船に乗り込んだものの、船内でブリキの料金箱をカチャカチャいわせながら切符を売りに来る車掌(船掌?)の女の子に「phra athitまで」と言うと、そこには停まらないという。あちゃー、各駅じゃなくて快速に乗っちゃったんだ。仕方ないのでその先の船着き場まで乗ってから下船。さあ困った。地図にも出てない部分だからな。ここは何処だ?

 とりあえず船着き場から真っ直ぐのびる道を行く。ここからは方向感覚勝負。大きな通りに出たところでなんとなく右へ。

little school girls
 ちょうど小学校の下校時刻と重なったらしく、かわいいランドセル(?)を背負った学童たちが目の前を歩いていた(写真右)。

 なんとなく道を渡ったり、路地を曲がったりしつつ行くと、カオサンからちょっとずれた場所に出た。太陽の向き、CASIO PROTREKの方位計、道路標識でなんとかなるもんだ。余裕が出たマユゲは道端の屋台で、ドーナツのようなお菓子と今川焼みたいなお菓子を購入。行儀が悪いが頬張りながら歩いていく。

 カオサン周辺は片側3〜4車線ある大通りが通っている。ここには歩行者横断場所がほとんどない。そこで皆、隙を見て駆け足で渡るのだが、なかなか車が途絶えない。そう言えば五年前もこんなことあったなー、と記憶が甦ってくる。

 10分近くかけて両車線を渡ると、すぐそこに懐かしきカオサン・ロード入り口があった。道幅こんなに広かったっけ?なんて思いつつゆっくりと歩いていく。前に泊まった宿、このへんだったな。確か、部屋のドア開けたら、床も見えないくらいでかいダブルベッドが置いてあるだけの部屋だったよな。あれっ、でもCD屋になってるぞ!? ああーここでシンハービール飲んだっけ。写真も撮ったよな。どんどん記憶が戻る。

 そしてここにもインターネットの波は押し寄せていた。至る所、「e 」の文字。もしかしたら、ここに集まる世界中のバックパッカーたちがタイにこの商売を持ち込んだのかも?


 カオサン通りの東のはずれにあるカフェテラスでシンハーを飲んでしばし休憩。この通りはさすがにどの店も相変わらずの人気だ。

 しかし、こいつらみんな学生なのかな? どう見ても俺より年上の兄ちゃんたちもいるよな? 完全に住み着いていそうな輩が多いのも、この通りの特徴のひとつ。

 店を出たマユゲには、すでに歩く気力がない。道路も、バンコク名物「大渋滞」している時間帯。そうだ、ここであれを試してみよう! カオサンの外れで客待ちしているモトサイの運転手に声を掛ける。

 モトサイとは、モーターサイクルの略。要はバイクの二人乗りで後ろに客が乗るシステムなのだ。初めてのモトサイで相場が分からなかったが、渋滞につかまってしまうタクシーやトゥクトゥクよりも当然高いだろう。しかもサヤーム・スクエアまでは直線距離にして7〜8kmはある。料金交渉も様子を伺いつつであったが、結局100Bで手を打った。


さっそくマユゲもヘルメットをかぶってバイクの後部座席にまたがる(写真右)。

Motor cycle taxi
 モトサイはやはり渋滞時に威力を発揮する。逆車線走行で、渋滞を横目に快調に距離を稼ぐ(写真左)。それなりに危険が伴うが、ドライバーがしっかりした奴ならば、とりあえず安心。地元の人たちもよく利用している。

 マユゲは必ず両手もしくはどちらかの手でバイク後部にある取っ手を握りバランスをとっていたのだが、地元のお姉ちゃんたちは、風になびく髪をなでつけるのに一生懸命で、取っ手になんか捉まらない。うまくバランスをとるもんだとちょっと感心。

 あっという間にサヤーム・スクエアに到着。いざ料金を支払おうとすると、お釣りが足りないという。仕方なく60B(バーツ)プラス1US$でどうだ、という話をしたらそれでOKになった。ちょっと運ちゃん損してるかも。ワリーね。

 そんなこんなで今日もよく歩き、よく汗をかき、よく飲み、よく食べ、よく体験し、よく書きました(花マル)。明日はシンガポールだ。シャワー浴びて、早めに寝るべし。

 ということで、また。

2001.2.23 バンコク市内サヤーム地区 THE BED&BREAKFAST  307号室にて
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