mayugeのダラダラ放浪紀 「100万$の夜景」の街、香港 ( Hongkong )
「香港」篇 その1 ( Hongkong )
とりあえず二ヶ国め。ジャッキー・チェンの故郷、「香港」!
でも今回はこの次に訪れる国々へのエアチケット入手が目的なので、ここでは少々。
(香港次回立ち寄りは、4月中旬の予定)
2001年2月20日(火)18時20分、EG201便にて中正国際空港を飛び立ち、いざ香港へ。台北市街の灯かりを窓から見ながら、数々の思い出をくれた台湾にひとり別れを告げる。台北は東京みたいで道行く人もちょっと冷たく感じる街だったが、人情の街、高雄へは是非また訪れたいと思った。
約1時間半のフライトののち、現地時間20時05分、香港チェプラックコク空港へ着陸。このチェプラックコク空港は、さすがに東南アジアの最も大きなハブ空港のひとつだけあって、建物の中もとても広くきれいだ。
空港から市街へは約35km。もちろんリムジンバスなどの交通機関もあるが、到着時刻も遅めだったということもあり最も早く着きそうな機場快綫(エアポート・エクスプレス)を選択。終電は午前0時48分まであって、約10分間隔の運行というから、これは使える。九龍(カオルーン)駅までの往復割引チケットを窓口で買ってホームへ。
電車は予定通りすぐにやって来た。車内はNEX(成田エクスプレス)のようなつくりで、大きな荷物を置くためのスペースが車両の前後にあったり、席は広々としていたり、エアコンがバッチリ効いていたりと、とても快適。真っ赤な制服を着た日本人のスチュワーデス二人組の会話に聞き耳を立てつつ、約20分ほどで九龍駅に到着。
九龍駅からは、九龍半島最大の繁華街、尖沙咀(チムシャツォイ)地区までタクシーで行こう。「TAXI」という表示を頼りに乗り場へ向かう。ゆっくりとしたスロープを降りていくと、そこには案内係のお姉ちゃんがいて、左右にいくつかずつある扉のどれかを指し示してくれる。この時間はほとんど客もいないので、一番手前の扉から乗車。尖沙咀の彌敦道(ネイザン・ロード)沿いに安宿が密集する「重慶大厦(チョンキンマンション)」という大きなビルがあるらしいので、「Please
go to チョンキン・メンション」と告げると、運ちゃんは怪訝な顔をしたあと、ハッと気づいた表情で「チャォーンキィン」と発音の指導。
車が動き出したら、今度はちょっとした雰囲気づくり。タクシーの運転手の中にはたまにボる奴がいるらしいので、メーターをしっかりチェックしているよん、という雰囲気を醸し出し、バックミラーでチラチラこちらの様子をうかがう運転手にアピールするわけだ。駅を出るとすぐに、窓から香港島の摩天楼の夜景が見えた。ここでいきなり「Oh,beautiful!」とか言っちゃうと初めてってバレると思い、密かに感動するにとどめたりして。
すると途中の路地で道を塞ぐように停車しているパトカーに遭遇。タクシーが横を通過しようとすると、おまわりがタクシーに停車をうながし、マユゲの顔をライトで照らす。そのおまわりは、サンダーバードみたいな帽子かぶってギロリとマユゲを睨みつけやがった(怒)。今来たばかりだっつーの。悪いことする時間もないっちゅーとんねん。しかしここは顔をチェックされただけで無事通過。緊急配備かなにかだったのだろうか。
そんなこともありつつ15分ほどで重慶大厦前に到着。おっ、シティバンクも近いぞ、よしよし。この運ちゃんはまともだったようで、メーターの表示額は駅のタクシー乗り場に出ていた相場額とほとんど変わらなかった。Thank
you,bye!
今度はいざ宿探し。ここ重慶大厦は尖沙咀東側の小汚い雑居ビルで、ネイザンロードに面したグランドフロアには各種のテナントが入っており、上階には数々の安宿が入居しているのだ。時間も時間だし、ガイドブックにある割と大きめのゲストハウスでまず部屋があるか聞いてみよう。エレベーターホールにたむろしているパキスタン人や黒人をかき分けかき分け中に入り、エレベーターを待っていると、今日すでに三人目の客引きが声を掛けてくる。汗かきつつ明るく大きな声を出す中年の男だ。たいていちゃんとしたゲストハウスは客引きなどやらないらしいので
「Already decided」
と断ると、
「Which floor?」
と尋ねてくる。しつこいなーと思いつつ、
「5th floor」
とそっけなく答えると、
「Oh!! Chungking-House?It's my hotel!」
と大げさに驚く。ホンマかいなと思いつつも、部屋を見せてもらうことにした。
エレベーターは混んでいるし、パキスタン人にスられるから階段で行こうと言い出すので、さらに怪しいと思いつつ、とりあえず半戦闘態勢で着いていく。階段を上がって小さなロビーに通されると、マユゲの目指していた「重慶ハウス」の看板はどこにもなく、部屋数も少ない。これは違うゲストハウスだな、と感づきつつ、部屋を覗く。するとツインのまぁまぁ広い部屋でホットシャワーも出る様子。値段を聞くとさほど高くない。しかも角部屋で壁の二面に窓があり、ネイザンロードを見下ろせるロケーション。いいじゃない、と内心思いつつも、
「It's too expensive for me. I need just a
single room.」
とカマをかけてみる。すると彼は困った顔をしつつも、今日はシングルが満室なので、明日空いたらそっちに移れるようにするから、と一生懸命口説いてくる。香港には二日間滞在の予定だし、シングルに移ったら$20返してもらうことを条件にして、商談成立。しかし、後で市街でおろそうと思い空港のATMで引き出したお金が最小限だったため、二日分の宿泊費が手持ちでは足りない。銀行に行って一時間後に残りを支払うことにしてもらい、彼の携帯番号を聞いて戻ったら呼び出すことに。あなたはMR.LEEね、OK。
部屋の窓からは、ネイザンロードの人の行き来など通りの様子がうかがえる。車のクラクションの音が多少うるさいが、そんなに気にならない程度。通りの向かい(西側)には、HYATTホテルが見える。あっちは比べものにならないくらい高いんだろうな。
荷を解いて、CITIBANKに行きがてら、夜のネイザンロードを少々探索。隙間なく店が続き、イメージしていた以上のネオンの渦だ。
ついでに重慶大厦の向かいに立って見上げると、5階の部分は右の大部分が「CHUNGKING
HOUSE」で、一番左のちょこっとだけが「TAIWAN
HOUSE」となっていた。マユゲの部屋も見える。大手を相手にLEEさんは頑張っているわけだ。
ホテルに戻ってロビーからLEEさんの携帯に電話を入れ、本日最後の二人組み客の誘引業務から戻って来てもらうことに。
ロビーで待っている間、壁に目をやると、メモ用紙やらハガキやらが貼ってある。宿泊者たちからのメッセージのようだ。どうやら過去に日本人も結構宿泊しているらしい。みんな「いいホテルでした。また来ます」とか「この場所でこの値段、に感激。LEEさんの商売繁盛を願ってます!」というようなメッセージが多い。ふーん、と思いながら読み込んでいるとLEEさんが帰ってきた。
「電話をもらったとき、さっきの日本人とは思わなかったよ。英語の発音が、今日他の部屋に泊まっているヨーロッパ人かと思ったよ。」とお世辞を言うLEEさんに残りのお金を支払いつつ、一つ質問をしてみた。ここらへんに、安くエアチケットを手に入れられて信頼できるいい旅行代理店はないだろうか?すると心当たりがあるらしく、翌日LEEさんのアシスタントの中国人女性に案内させるよ、との返事。よかった、情報まったくなかったから助かるわ。
翌、2001年2月21日(水)。やや遅めに起床、シャワーを浴びてしばらくのんびりしていると、約束どおり午前11過ぎに扉をノックする音が聞こえる。
「Who is it?」
どうやらLEEさんのアシスタントの女性らしい。ドアを開けると中国人の中年女性。控えめな感じの人で、今日日本人の女の子二人組みが予約の電話をしてきたので、もし来たら部屋を移ってもらえないだろうか、とのこと。ちょうど昨日LEEさんとシングルに移る話してたんです、と言うと、移る先のシングルの部屋を見せてくれた。シングルというよりダブルの部屋で、角部屋ではないもののそこそこ広くて窓のあるきれいな部屋だった。いいじゃない。
その後、彼女は旅行代理店へ案内してくれた。そこは歩いて5分ほどの雑居ビルの7階にある小奇麗なオフィスで、やや派手なお姉さんと若い女の子三人ほどで切り盛りしている小さな会社だった。LEEさんのアシスタントの女性はマユゲを紹介するとホテルへ帰って行ったので、そこからはひとりで交渉。
担当はそのやや派手なお姉さん。ちょっと恐い感じの受け答えなのだが、聞いたことに対しては、いちいちしっかり本で調べたり電話をしたりして答えてくれる。結局、いろいろな条件のいいタイ航空(TG)の一年間有効のラウンドチケットを購入。香港とカトマンズ往復で、往路バンコクにてストップオーバー(途中降機)。バンコクに立ち寄り、そこにマレー半島縦断の旅を挟むわけだ。そう言えば、TGってスターアライアンスメンバーだったよね?お姉さんはそうだと言いながらも、一応本で調べてやっぱりそうだと答える。よしよし、ANAカードでマイレージが貯まるぜ。
途中、ホテルからマユゲ宛てに電話が入った。ここまで案内してくれたアシスタントの女性が掛けてきたのだ。やっぱり申し訳ないが部屋を移って欲しいとのこと。Ok,I'll
come back.発券は午後3時過ぎになるとのことなので、ホテルに戻った後、ランチとするか。
ホテルで荷物を移動後、九龍半島の先端にある公園のほうへ足をのばしてみる。といっても歩いて3〜4分の距離。(やっぱりあのホテルのロケーションはいい。)公園のなかに立つ「香港文化中心」というビル内のレストランで飲茶とでも行きますか。
昼飯時を少し過ぎたこともあって店内は空いている。席に座ると窓からはビクトリア・ハーバー(九龍半島と香港島の間の水道)、さらには香港島のビル群が見える。
注文のスタイルは、ちょっと変わっていて、おばちゃんたちがワゴン(いろいろなメニューの札がかかっている)を押して客の丸テーブルの周りをうろついているのだが、そこから欲しいものをどんどん取っていくのだ。
マユゲもさっそく、えび焼売や豚肉の湯葉巻きなどいくつかを指差しておばちゃんから受け取る。すると席にある伝票におばちゃんがチェックマークをつけていくのだ。ははーんなるほどね、これが飲茶方式か。お茶もポットでたんまりくれるので、自分でカップに入れてどんどん飲める。
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