mayugeのダラダラ放浪紀  「なるほど。近くて近い」国、台湾 ( Taiwan )

「台北」篇 ( Taipei )


GOOD BYE,KAO‐SIUNG!

 2001年2月18日(日)午後14時20分、マユゲを乗せた復興航空GE057便は高雄空港から離陸。また旅先での友人を得ることができた高雄の街を後にする。徐々に機体が高度を上げていくにつれ、左手にある窓からは高雄の市街が見えてくる。そしてゆっくりと旋回が始まったとき、マユゲの視界にキラキラと光る西子湾の姿が飛び込んできた。昨夜、その友人たちと訪れた場所だ。まだ鮮明に残るそのときの記憶がよみがえり、少し胸が切なくなった。。。

 なーんて、ちょっと"おセンチ"モードも入ったが、高雄での楽しかった思い出を胸に、約50分のフライトののち台北松山機場に降り立つ。国際空港である中正国際機場は市街からおよそ40kmほど離れているのだが、国内線のここ松山機場は、市中心地のすぐそば。でかバックパックを受け取ったマユゲは、中心地に向かうMRT木柵線に乗るべく、歩いて中山國中站(駅)へ。
MRT(subway)
 ガイドブックによれば、あるいてすぐのような書き方だったが、これが結構距離があって参った。かつぐのがデイパック(一日用リュック)だけなら余裕の距離だけど、これだけでかい荷物を持っているとしんどい距離だ。汗ダラダラになりながら切符を買って乗車。車内は日本でいう新都市交通「ゆりかもめ」みたいだった(でもこっちのほうが広い)。

 台北の地下鉄(一部地上を走るが)MRTには、大きく分けて五路線あり、この木柵線だけが無人運転となっているとのこと。途中、忠孝復興站(駅)で南港線に乗り換え、台北車站の次、西門站で下車。7〜8駅乗って25元(約94円)。やっぱり日本の地下鉄は高いのかな。

 ちなみに切符はすべて裏面が磁気読み取り式のプラスチックカード。テレフォンカードみたいなものだ。それがリサイクルされて何回も繰り返し利用されるわけだ。だから切符の表面には自分が買った額面はいちいち印字されていないのだが、紙の節約にはいいシステムだと思う。

 券売機も日本とちょっと違う。まず、自分の行き先の料金を確認したら、先に料金のボタンを押してから、お金を入れるのだ。つい先にコインを入れそうになってしまう。

 そして自動改札もこれまたちょっと違う。ディズニーランドの入り口のように、バーを押しまわして入るタイプ。マユゲもちょっとぎこちなく押しつつ通過。

 西門站から地上に出ると、若い人がいっぱい。若いといっても中高生くらいの若さ。ダボダボのパンツを腰ではき、裾を引き摺りながら歩くスタイルがここでも流行中のようだ。ちょっと前の日本の中学生たちもやってたよね(まだいるか?)。どうやらここは渋谷のような街らしい。

 今日の宿はここからちょっと歩いたところで決定。ちょっと小汚いホテル、宏洲旅社。片言の日本語を話す受付のおばあちゃんとしばし交渉ののち、チェックイン。

 明るいうちにちょっと散策しようか。

台北散策スタート!

A temple まずはMRTに乗って龍山寺へ。普通の市街地の中に突然お寺が現れる。日曜の夕方にしては人が多い。早く帰んないと「さざえさん」始まっちゃうよ。ここも孔子廟などと同じように、本堂の周りを数々の神様がいる建物が囲んでいるつくり。

 マユゲも今日はお線香をちょっと多めに持っていろいろとお参り。いやー、でもお線香ってホントにいい香り。マユゲのような寺フェチにはたまらないね。
Red face God そして、入り口から一番奥のお堂で、ちょっと気になる神様を発見。ちびっこい体にのっかった赤ら顔には超ロングの白ひげ、そして衣装は超デーハー。その上、顔がにやけている。御利益というよりインパクト勝負って感じの神様だな。でも肩の力抜いてお願い事したら叶えてくれそうな神様でした。

 ひと通り見学を終えると、帰りは歩いて宿へ。帰りがけに食堂で「魯肉飯」を食べてこの日は終了。

台北散策スタート!

 翌、2月19日(月)。今日はいろいろ足をのばしてみよう。と、その前に洗濯物だけ出していこう。宿のおばちゃんに聞いた近くのクリーニング屋で洗濯を頼む。夕方にはできるからとりにいらっしゃい、とのことなので、ちょうどいいやと思いつつそのままGo!Building of Government

 西門站から東へ15分ほど歩くと、「総統府」が見えてきた。ここは、日本による支配時代に台湾総督府が置かれていたところ。赤レンガに白が映える、重厚な建築物だ。かつて日本が行ったことを考えると、のんきに写真とかとってる場合じゃないよな、と思いつつ、きれいなので一応、「カシャ」。

Memorial hall
 「総統府」からさらに南東へ10分歩くと、今度は「中正記念堂」のでかい門が視界に入る。

 ここ中正記念堂とは、故・蒋介石総統を記念して造られたとか。ものすごく広い公園の中に立っているので、門をくぐったところからはあまり大きく見えなかった。しっかし、都心のど真ん中にこれだけ広い土地をよく確保できたもんだ、とまず感心。

 門をくぐってから正面に見える記念堂までは500mはあっただろうか。近づくにつれ、記念堂のでかさが改めて思い知らされる。白い大理石の建物の写真、向かって右の階段中腹に見える白い粒が人。マユゲも息を切らしつつ階段を上がった。

 堂の中には、蒋介石さんが座っている像があり、銃剣をもった衛兵が警備している。
スリッパ履きは入館不可との表示があったため覗く程度だったが、なんか教科書で見たアメリカ初代大統領ワシントンの像みたい。

View from Memorial hall
 振り返って、入ってきた門のほうを見ると、

やっぱり、それはそれは広いわ、この公園。

 次は台北市北部のポイントに行ってみよう。天気もよく気持ちいので、駅までの約1kmは歩いて、その後バスに乗ろう。途中、携帯灰皿を売っている店を探して登山ショップに寄り道しつつ、バス停にたどり着くものの、時刻表を見るとお目当てのバスがやってくるのは1時間後。あちゃー、と思いつつ作戦変更。軽く飯を食ってからMRTとタクシーで行こう。

 近くにあった屋台で揚げたてドーナッツと菓子パンを、さらに隣の屋台で「柳丁汁」を購入。「柳丁汁」とは何かを敢えて知らずに注文したが、屋台のおばちゃんはオレンジをふたつに切ってグリグリと絞りだしたところで、やっと理解。オレンジジュースだったのか。何故かちょっとがっかり。でも、歩道の端にあるベンチに腰掛けて飲んでみると、さすがに絞りたて、なかなかうまかった。みかんっていうより、オレンジっていう味。あっ、でもこれ吸い込むと口に種が入ってくるぞ。

 食後はまた少し歩いてMRT中山站へ。そこから三駅で圓山站到着。ここから歩いてすぐのところに「孔子廟」があるのだ。

A temple 境内に入ってみるものの人気がない。月曜の真っ昼間だもんな。名所といってもそんなにたくさん人が来るもんでもないか。そう思ってしばらく本堂の景色をひとり占めしていると・・・、

やっぱり来ました、日本人団体客。

 上手に日本語を話すガイドのおばちゃんに従えられた一行は、みなショルダーバッグを肩から斜め掛け。うーん、分かりやすい。でも人が来てくれたおかげで写真も絵になった。

Dragon on the roof 本堂の裏手にある堂の屋根には、一対のドラゴンが。シャチホコって日本だけなの?なんて考えたり。

 そしてゆっくりとひと回りして最後の回廊を覗き込むと、可愛いげなおじいちゃんと目が合った。軽く会釈すると、おじいちゃんは目を輝かせて、
 「ニホンジンデスカ?」
と尋ねてきた。マユゲも相当分かりやすい日本人スタイルなのね、とちょっとがっかりしつつも、「YES、あ、いや、ハイそうです」と答える。つづけておじいちゃんはマユゲの持っているサイバーショットを指して、
 「ソレ、ディジトー、デスカ?」
とくる。おおっ、"デジタル"の発音がいいよー、と感心しつつ「そうです」。しばらく話してみると、おじいちゃんの名前は陳さん。そして陳さんはどうやらカメラフリークらしい。着ている黄色いベストに「志願服務」※とあるところを見ると、リタイア後ボランティアかなにかで観光案内をしているらしい。
(※台湾を歩いていると看板やら何やらに「服務」という言葉がやたらでてくる。「服務中心」とか「自助服務」とか。=サービスセンター?、=セルフサービス?)

 陳さんは、このあいだも日本人の一人旅の女の子が来たことや、その子も一年旅する予定であることや、彼女は名古屋から来たことなどを一生懸命話してくれた。そして大事そうに持っているミノルタのカメラを見せて、彼女と一緒にこのカメラで写真を撮りましたと、うれしそうに言う。

With a guide of this temple "Mr.Ching" なんかこっちまでうれしくなって、一緒に記念撮影することに。ちょうど本堂の前にいたシンガポールからの観光客をつかまえて、まずは陳さんのカメラで一枚。

 そしてマユゲのカメラでも撮りました。(写真左) 日本に帰ってプリントしたら送ってあげよう。

Another temple  陳さんとさよならした後は、隣にある「大龍保安宮」へ。お寺のはしごです。

 ここ大龍保安宮(写真右)は、医学の神様が祀られているとのことで、本尊さまの前に置かれた「ひざ置き」にひざをついて、熱心にお祈りする人の姿が見られた。

Praying little girl小さな女の子も一生懸命おいのりします。(写真下)

Noisy plane
 でも、国内線空港である松山機場のそばなので、ほぼ五分おきに聞こえてくる飛行機の爆音で、お祈りに集中するのも大変そうだった。
(写真右)

Another Memorial hall
 そして次は、本日のメインイベント「忠烈祠」を目指す。

 ちょっと距離があるので、保安宮の前からタクシーを拾う。ここで有名なのが「衛兵交替」の儀式。一時間に一回行われるというから、時間的にちょうどよさそうだ。


 これまた門をくぐると人気がない。ガランとした広場の向こうに黄色い屋根の建物が見える。あれが本殿らしいぞ。

 ここ「忠烈祠」は、辛亥革命以来国のために殉じた軍人を祀っている場所。奥の本殿には、日本による植民地支配時代に日本軍に抗戦した蒋介石軍の奮闘ぶりを記した碑もあったが、その近くに立っている衛兵の横で日本人のおばちゃんが並んで写真撮りながら大騒ぎしていた。

There are guards
 衛兵は姿勢よく立ち、じっと宙の一点を見つめている。この直射日光のもと、すごい精神力だ。不謹慎だが、ちょっとぐらい動くんとちゃうの?と思って横目でそーっと見ていたものの、まるで蝋人形のように微動だにしない。

 特に、向かって右の衛兵なんか、マユゲと同時にまばたきしてるんじゃないかと思うぐらい、目を閉じている瞬間さえ見せなかった。いやー「心頭(?)を滅却すれば火も亦涼し」か、たいしたもんだ。

 すると、入ってきた門のほうが騒がしくなってきた。いよいよか?と思って目をやると、いつのまにか団体客がどっと押し寄せていて驚いた。マユゲも門のほうに戻ってみると、観光客の八割がたは日本人の様子。JAAの金城&志村けんCM効果なのか、もともと近いいから来やすいのか、とにかく大勢いる。マユゲもその中に混じって、開始された衛兵交替に見入る。

 システムとしてはこうだ。既に、門に二人、本殿に二人衛兵が立っている。この計四人を交替させるために、新たな衛兵四人と、それを率いるリーダーの計五人が詰め所から出てくる。そしてこの五人が時折銃剣をカチャといわせながら、一糸乱れぬ隊列でまず本殿へ向かう。

Ceremony of guards change ここで二人が交替。リーダー、交替済み二人、未交替二人の計五人状態で今度は門へ。途中、隊形を「Vの字」にしたりしながらゆっくりと行進していく。そして門のところでも二人が交替して、お疲れさまでしたの四人とリーダーは詰め所に戻るというわけだ。

 任務中の衛兵は蝋人形のように無表情なのだが、ひとたび交替するとホッとした笑顔を見せたりして、ちょっとこっちを安心させてくれる。任務を終えた衛兵クンは女の子と記念撮影なんかもする。その笑顔を見ると、マユゲよりぜんぜん若い子たちなんだなぁと、改めて思ったりするわけです。

This taxi driver loves plants
 団体客が大型観光バスに乗り込み帰っていった後も、しばらくその場で余韻にひたっていたマユゲ、俺もしっかりせんといかんな、と思いつつ宿へ。

 また帰りも圓山站までタクシーで帰ったのだが、この運ちゃんはちょっと変わってて、どうやらサボテンフリーク。ダッシュボードの上や運転席の後ろまでサボテンだらけ。よっぽど好きなんだろうな。

人生、いろいろだ。


2001.2.19 台北市内、宏洲旅社 705号室にて

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