mayugeのダラダラ放浪紀  「なるほど。近くて近い」国、台湾 ( Taiwan )

「高雄」篇 その2 ( Kaoh-Siung・U)


台湾で「女3:男1」の合コン!

 2001年2月17日(土)夕方。 一度ホテルに戻ってデイパックをおろし身軽になったマユゲは、午後6時、約束どおりリーチンのオフィスである旅行会社に電話を入れる。
 「Hellow?」
 「!?!?!?」
電話に出た女の子は口ごもっている。だが、何やら周りでキャッキャ言ってるのが聞こえる。
 「ハロー?ミス・リンはいますか?」
そう、リーチンは林(リン)さんなんです。電話口の子はリーチンでないらしいが、すぐに代わってくれた。
「仕事は終わったの?」
「うん、終わったよ」
こういう時、"お疲れさま"って、英語で何て言うのかな。続けて彼女が言う。
「あなたは今どこにいるの?」
「今は自分のホテルだけど、今から君のオフィスまで行くよ」
「No。そしたら、私たちが迎えに行くわ。ホテルの名前と電話番号を教えて」
結局、ロビーまで迎えに来てもらうことに。

 1階のロビーで待つこと10分少々。ホテル正面ガラスドアの向こうにリーチンが見えた。「Hi!」と手を挙げて合図する。友達を二人連れてきているようだ。彼女らは、リーチンをいきなりメシに誘うなんてどんな奴だ、と思っているに違いない。そこでマユゲは、「こんにちは。はじめまして。」と、その二人にも挨拶。あっ、キミら今、ガッカリした?

 それはさておき、出発。マユゲのホテルから5分ほど歩いたところにある「六合夜市」に繰り出すことになった。昨日はひとりだったけど、今日は大勢なのでやっぱり楽しい。

 道すがらお話をしたところ、三人は同じオフィスの同僚で、同い年の二十四才仲良し組らしい。背が高くて髪がロングの"ハキハキ系お嬢さん" VIVIAN(ビビアン)と、やや小ぶりでショートヘア、"おとなしめなしっかりさん" AMANDA(アマンダ)。(台湾では、English Nameを持っている人が多いらしい) 三人とも気さくな性格のようだし、マユゲが年が近そうに見えたのもあって、すぐに打ち解けた。

 何を食べたいかを聞かれたのだが、台湾料理ひとつひとつの名前が分からず、ただ「umm・・・、TAIWAN FOOD!」と言ったら、夜市を歩きながら何やら三人で相談を始めた。
Had a dinner with Amanda, Vivian, and Li-Ching
 そして連れていってくれたのが、いろいろありそうな屋台。とりあえずオーダーは任せた! 日中の暑さが和らぎ、ほどよく涼しい風が抜ける屋台で、台湾の友達と食事。すばらしいじゃない。これはもう、いっとくでしょ。

 そうです。ビールです。

 「君はビール飲む人?君は?」と聞いて回った後、フットワーク軽く近くの全家便利商店(ファミリーマート)へ走る。台湾の屋台では、そこで飲み物を頼むのもよし、自分で買ってきて飲むのもよし、なのだ。戻ると、すでに料理が来ていて、カメラを向けたらビビアンがポーズ(写真)。

 それぞれにビーフンのお碗と、おかずが今日は三品! やっぱり大勢のほうがいろいろ食べれていいね。さっそくいただく。
 「これ、ビーフンだよね?」と尋ねると、「???ビィー、フンンー???」と不思議顔。こちらでは「ミィーファン」というらしい。へぇー、そうなんだ。でも似てるね、なんとなく。台湾ではひとつひとつの料理の量があまり多くないので、すぐに食べ終わり次の屋台へ行くことに。なるほど、こうやっていくつも屋台をはしごするわけか。

 ここ「六合夜市」というのは、大通りの一部が夜のあいだ歩行者天国となり、道の両側に屋台が店を出しているのだ。
ウィンドーショッピング(?)を楽しみながら、ブラブラと歩いていく。しかし歩行者天国といっても、原付は通行可。ボーっとしてると後ろから「ビビッ」とクラクションを鳴らされる。はいはいー、すいまそーん。

Dried egg of fish そして夜市の端まで来た。角にあるのは、カラスミ屋。なんともグロテスクな食べ物だね、あらためて見ると。ここでもリーチンがひと切れ用意してくれた。ありがと(涙涙涙)。。


 続いては、やっぱりデザート。前を歩く三人が大きく「豆湯」と書かれた屋台の前で立ち止まり、またまた相談タイム。メニューをゆびさしながら台湾語で何かしゃべりながら悩んでいる。「あなたそれにするの?じゃ私、これにしよっかな。」てなことでも話しているんだろうか。
Taiwan sweet food
 そして出てきたのが、これ(写真)。杏仁豆腐に小豆が入ったかすかに甘い食べ物。そして見た目とは裏腹に温かいのだ。おしるこみたいでおいしい。夏はアイスでも食べるのだそうだ。豆の種類違いなど何種類かあるらしい。

 この懐かしい感じのするデザートを食べながらまたいろいろと雑談をしていたら、マユゲの名前は漢字でどう書くのかという話になった。そこでメモ帳に書き始めると、一文字書くごとに「アー」、「ブー」、「シェン」、「アー」と三人揃って声を上げる。俺って台湾では「アーブー・シェンアー」なんだ。なんか変な感じ。

 すると今度はビビアンがNOKIAの携帯電話でなにやら話し始めた。電話を切ってからマユゲに尋ねてくる。
「今日はまだ時間ある?」
腕時計を見るとまだ午後7時半過ぎ。「大丈夫だよ」と応えると、友達が車で近くまで来るから、みんなで「寿山」へ行こうと言う。ガイドブックによると寿山とは、高雄郊外、港の方にある丘で眺めのよい公園があったりするらしい。ああ、今日の昼間、旗津半島行った帰りに時間があったら寄ろうかと思ってたところだ。ふーん、夜景もきれいなんだ。行こう、是非、是非。またしばらく屋台を覗きながらブラブラし、待ち合わせ場所へ向かう。

夜景!食!人情! 大「高雄ざんまい」

 マユゲのホテル近くで、ビビアンが迎えに来てくれた車を発見。車から出てきたのは、やはり同じ年代の男の子二人。こっちから元気よく「Nice to meet you!」と挨拶し、Shake Hands。この普段はやらない西洋式挨拶に、二人とも照れつつ挨拶を返してくれる。

 高雄っ子は、全体的にスレてない感じでホント好感が持てる。運転席から出てきたほうがNeal。小太りで愛敬のある顔。性格も明るい。助手席のほうはTiger。二人ともカッコいいEnglish Nameなんだよ、これが。しかもタイガーはシャイな感じの男前。ビビアンの話では、タイガーはビビアンの彼氏らしい。車の中で、台北にダブル・カップル旅行に行ったときの写真を見せてくれた。どの写真もとてもよく撮れていて驚いた。台湾の人は、結構写真にこだわるのかもしれないな。高雄のメインストリートに結婚サロンのようなお店がたくさん並んでいるところがあるのだが、お店の前にサンプルとして置いてある結婚記念写真なんかも、超気合入れて撮ってあったもんな。写真集みたい。マユゲは女の子三人と後部座席に小さくなって座りつつ、車は市中心部を離れ、丘のワインディングロードを登っていく。

 そして到着。若い人が大勢集まっている。やっぱり夜景スポットなのだ。ニールが車を停めたところから、丘の頂のほうへ石段が続いている。結構段数があって、ちょっと息を切らしながら登りきり、振り返ると、
View from the hill
 ホントにきれいじゃん!

 市中心部のタワーから、港までが一望できる。マユゲは感動してしばらくボーッと眺めていたが、ふと我に返り横を見るとニールがとても誇らしげな表情をしていた。

いやぁーホントきれいだよ。
連れてきてくれてありがとね。

 しばらくニールとおしゃべり。ニールは時折、自分の言いたいことが英語で表現できないもどかしさを表わすのだが、実にその気持ちがよく分かる。俺もそういうシチュエーションが結構あるわけよ。

 高雄はいい街だね。そんな素朴な感想は、なんとか伝えられたと思う。

With Taiwan friends そうだ、みんなで写真撮ろう!とマユゲが提案すると、みんな大賛成。一行は石段を降りたところにあるお店の席を借りて記念撮影。ここでサイバーショットのセルフタイマー機能が活躍。e-mailアドレスの交換をしたので、さっそくこれは送ってあげよう。

 そして、高雄の若い人が集まるポイントがもう一ヶ所あるというので、今度はそこを案内してもらうことに。再び後部座席で体を小さくしながら移動。

 次なる場所は西子湾。今日の昼、フェリーに乗ったところだ。近くに中山大学という学校があり、学生を中心に盛り上がるところらしい。

 車から降り、海のほうへ近づいてみると、車道と海を隔てる防護壁の切れ間ごとにカップルの嵐。テトラポットに波が砕ける音をBGMに、どちらさんもいい雰囲気になっている。横浜山下公園とかお台場って感じなのかな。しかし、暗がりから聞こえる波の音ってなんかいいね。アルファ波、出てそうだな。引き込まれる感じするもんな。

 しばらくすると、タイガーが手に何やら串焼きのようなものを持って戻ってきた。シャイなタイガーはそれをビビアンに渡し、マユゲに薦めるように言ってくれている。

 「テンプーラー! Taiwanテンプーラー!」

 聞けば"台湾風天ぷら"だという。日本のそれとは大分様子が違うが、衣を油で揚げてあるもののようだ。礼を言ってさっそくいただいてみると、おせんべいを醤油に漬けて柔らかくしたものをちょっと乾かして油で揚げて胡椒を掛けた感じ。分からないよね。味が濃くて辛いんです、これが。でも食べれば食べるほど、このフニャフニャした食感と濃い味に病み付きになりそう。

 ああー口の中、辛っ。っと思っていたら、アイスを食べに行こうという話に。暖かい高尾とはいえ、今は2月の夜。一応ロングスリーブTシャツの上にフリース羽織ってちょうどくらい。まだアイスは早いんとちゃうの?とは思ったが、口の中さっぱりしたいのはみんなと一緒。連れって行ってもらいました。

 二面しか壁がなく風通しのいい店内は、若い人たちでいっぱい。

 まず目に飛び込んでくるのが、壁やテーブルにすきまなく書き連ねられた落書きの数々。英語や漢字や似顔絵が入り乱れている。でも「中山大学○○学専攻、×△◇。」とかしっかり署名してたりする。

 マユゲも隅っこにスペースを見つけてちょこっと記念に書いてきました。日付と署名もして。「2001.2.17 ○○○○(アーブー・シェンアー)」するとアマンダも高い位置に一生懸命何かを書き始めたりして(写真右)。

 そうこうしているうちにアイスが届く。

 で、これがそのアイス(写真右)。かき氷の上にトッピングするものを各種選べるわけ。そしてこれをスプーンでザクザクかき混ぜて食べる。台湾って、ご飯ものも麺もそうだったけど、上に載っている具をとにかくかき混ぜて食べるものが多い気がする。マユゲに出してくれたのがフルーツ盛り。バナナ、すいか、マンゴー、キーウイ、グレープフルーツ、それから瓜のようなややかための食感のうす緑の果物(野菜?)。後で調べたらどうやら「グァバ」だったらしいのだが、教えてもらった台湾語のこの果物の名前は発音が難しくておぼえられなかった。甘くないんだけど、サクサクしててかすかに酸っぱ味が効いててイケる。マユゲがこれを選んで先に食べているものだから、リーチンが珍しがって「Youは、これが好きなの?」と聞いてきたくらい。女の子たちは、「小豆練乳がけ」とか、「練乳プリン載せ」とかカロリーの高そうなものをガシガシ食べていた。別腹なんだろうなー。

 ひとしきりいただくと、ホントにもうお腹いっぱいになった。というか、していただきました。何から何までお世話になりっぱなしで申し訳ないくらい。機会を見てマユゲも払おうとするのだが、みんな「Youは客なんだから、いいから、いいから」という感じで照れた笑顔を見せるのだ。高雄っ子の徹底したホスピタリティーには痛く感動、のマユゲであった。いつか何とかしてお礼をしたいものだ。

 ホテルの近くまでニールの車で送ってもらい、男子チームの二人とはここでお別れになった。今日初めて会ったどこの馬の骨とも分からないような日本人に、ここまで親切にしてくれる高尾マインドに対して最大限のお礼を言いたかったが、あまりうまく表現できなかった。残った女の子のうちビビアンは電車の時間があるので、先にさよならしたのだが、リーチンとアマンダがもう一回夜市へ行こうと言う。どうしたのか尋ねると、なんと果物屋でマユゲにグァバを買っておみやげに持たせたいというのだ。もう感動に言葉もなく、ただ顔の表情と涙をふく仕種で、この感謝と感動の気持ちを表現するしかなかった...Thank you...

 別れ際、この先いつか日本に来ることがあったら、絶対にメールで連絡をちょうだいね、と伝え、笑顔で去っていく二人の背中を見送った。そして、彼女たちが持たせてくれたグァバの切身が入ったビニール袋と台湾茶のカップを手にしたマユゲは、胸を震わせながらエレベーターを上がってゆくのだった・・・・・。

2001.2.17 南国の人情の街 高雄にて

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