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マユゲの夏休み 〜第一章「日本脱出」〜


 しばらく更新をサボっていましたが、再び気が向いたので書きます。というより、見せたいネタができたので、見て見て。この間更新していなかったのは、僕のなかのひとつの恋が終わったからだけではなく、単にいろいろと忙しかったということです。

 なんとわたくし、会社に入って5年目にして初めて、「長期休暇」というものをとっちゃいました。お得意がお盆休みとなるこの時期、実は前から狙ってたんだな。8月14〜18日、会社の夏休み3日間+有給2日で計5日間に前後土日を合せて、なんと9連休! すごいとこだよ、今までの生活を考えると。

 直前まで本当に休みが取れるかどうか、ヒヤヒヤの状態だったもんだから、結構ギリギリまでエアのチケットを取るのをためらっていたんだが、今回計画している一人旅には飛行機がなきゃ始まらない……。ええーい、もうダメもと、キャンセル覚悟で、バッカスの同期でJTBに勤めているサトちんに手配を依頼。

 しかし、この時季は、やはりトップシーズン、案の定チケットはすんなり取れる訳なし。サトちんから条件確認の連絡が入る。格安チケットではもうどうにもいかない、という状況らしい。レギュラー値段でもいいから、なんとかして目的地であるマレーシアに入国する方法を考えてくれと再度頼むと、「よーし、分かった。お前がそこまで考えてるんなら何とかしてやる。」と、奴にしては珍しくカッコいいことを言う。そしてどんな手を使ったのかは分からんが、行きはシンガポール経由トランジット9h、帰りはセブ経由トランジット14hという無理矢理の便をゲットしてくれた。忙しいシーズンに手を煩わせてしまってスマン。これでなんとかなりそうだ。これが出発の3日前のこと。

 これでマユゲのマレーシア入国計画は現実のものとなった。前後の土曜日にはリベンジャーズの練習があり、今シーズンは何としても出れるだけ出たいので、日曜から金曜までの6日間。 よっしゃー、行ってくるでー!

 「そんなにしてまで行くマレーシアには、何があんの?」とサトちんにも聞かれたが、ひとことで言うと、「山がある」んです。マレーシアの中でもボルネオ島の北東部にある「キナバル山」という山。聞いたことないでしょ? マユゲ自身も全然知りませんでした。山登りなんてもともと全く興味ないし。

 思考の流れとしては、「今年はどうしても長期休暇をとって旅をするぞ」→「休めるとしたら、お盆のワンチャンスだな」→「はて何処行こうか?」→「一足先に休みをとった、一緒に仕事をしているお得意の話によると、マレーシアのランカウイ島というところはメチャメチャよかったらしい。」→「うーん、リゾートかぁー。いいッスねぇ。」→「本屋行ってガイドブック見てみよう」→ペラペラ……「ん?」→「なんだこのすげー景色は!」→「フムフム、キナバル山って言うんだ。標高4,101mか。どうりで綺麗な雲海な訳だ。フムフム」→「って、何ぃー、4,101mだぁ!?」→「でも行くでしょ、これは」。

 要は、写真一発でやられてしまったわけである。茫洋と何かを求めていた今のマユゲにちょうどハマった、というだけのことなんだろうが。そんなことで上記のようにサトちんに無理を言ったというわけ。実は、約1月前に突然富士山に登ったのも、この「山」に登るための準備の一環だったんです。


 というわけで、少々前置きが長くなりましたが、今回の旅の模様を紹介したいと思います。海外旅行なので、タイトルもそんな気分を出してみました。

 ただ断っておきますが、これはあくまで自己満足の記録です。だから、うだうだ長いです。どうでもいいことを超詳細にレポートしていたりします。それを見て笑ってもらえれば、コレ、幸い。
mayuge

2000年8月13日(日)

 13時30分、我が家を出発。忘れもんないよな。コンセント抜いたよな。新聞も止めたし。窓閉めたっけ?閉めた閉めた、オッケー。さっきまで降っていた雨もちょっとお休みになったようだ。チャーンス。でかいバックパックを背負った怪しい男は小走りに駅へ向かう。

 都心へ向かう電車も、お盆のせいもあってか空いている。車輌のはしっこに座ったんだが、やっぱりでかいパックはジロジロ見られる。いいだろー、休みなんだよ、俺。

 既にチケットをとってある成田エクスプレスに乗るべく、東京駅へ向かう。東京駅出発の30分前についちゃったよ。時間に余裕のある行動は、気分にも余裕をもたらす。サンドイッチでも食べちゃおうかな。東京駅地下ホームのミニコンビニbyキヨスクみたいなお店で、ツナサンドとおーいお茶を購入、ベンチでパクつく。

 すると隣りに座っていたオジさんの傘を持っていこうとするおばちゃんが。オジさん慌てて「あ、ちょっと、それ私の傘ですが……」。おばちゃん「あーら、ほんとにおたくさまの傘ぁー? わたくしさっきここに忘れたんでございますのよ」。でもその横に倒れていた自分の傘を見つけたおばちゃん、「あら、あったわ」。謝りもせずにさっさと行ってしまった。おばちゃんって、なんでこうなっちゃうのかね?非常に遺憾。ビニ傘のくせに。

 やや遅いランチを食べ終わると、ちょうど案内放送があり、しばらくするとリベンジャーズカラーの車輌が到着。成田エクスプレスって東京駅で連結するんだね、知ってた? さっそく乗り込む。さすがに成田行き専用電車、各車輌の前後にはでかい荷物を入れる専用のスペースがある。たいしたもんだ。

 二人席×2の対面座席形式の自分の席に着くと、前はラブラブ新婚夫婦(たぶん)。リゾートですかね。この時期だもんね。「もうパパったら、ごはんつぶついてるぅー」とか、「ママ、だいじょぶ?荷物こっちにおいたげるよー」とかやってる。これはきっと神様が今のマユゲに試練をお与えになっているに違いない。修行僧状態のマユゲは、黙想でこの60分を乗り切った。

 お盆シーズンできっと成田はごった返していることだろうと思い、フライトの約3時間前に到着する電車をとっていたのだが、着いてみたらそうでもない。最近はみんな賢くずらして休みとってるのかね? さっそく、でかパックから機内持込み手荷物用のデイパックを取出し、最小限の物品をつめる。二つのパックを肩に掛け、シンガポール航空のチェックインカウンターへ。おおー、さすがSQ(シンガポール航空の略称なんだって)、地上職もみんなかわいいよー。

 さて、時間があまった。やるべきことをいろいろやっておこう。まずはKDDのカウンターで、前もって作っておいた行程表を実家へファックス。心配してるからね。そして隣りにある東京三菱銀行でUS$のT/Cを購入。これはいざというときに慌てないためね。おっと実家からケータイに着信入ってるな。展望デッキから折り返しのTEL。分かった、分かったよ。大丈夫だから。うん、うん。無事戻ったら電話します。はい。行ってきまーす。ブチ。この会話は静かなところで周りに聞かれたくないよな。でも、こんなに大きくなってんのに、いまだに心配してくれるんだねー、親ってのは。ありがたいこってす。

 茶でも飲むか。Cafe Miami。どうやらこれって都内にあまたある、あの喫茶&談話室「マイアミ」の業態違いらしいぞ。今って、オープンエアのつくりでエスプレッソ飲ませる店にすりゃ、客入るんだね。雰囲気に弱いマユゲ、まんまとこの店に入り、「カプチーノくださーい」。

 ここで、各地でどれくらいお金を使うのかシミュレーションしてみる。ガイドブックの情報を頼りに、だいたいはじいてみてが、いくつか見当がつかない部分がでてくる。シンガポールとセブ(フィリピン)での金だ。さっき本屋あったな。あとで寄ってみよう。

 Cafe Miamiから見える千葉の空は、どんよりとした曇に覆われている。台風がきてるらしからな。離陸だいじょうぶかな? 卒業旅行以来、4年以上ぶりの海外。やっぱりワクワクするもんだね。ちょっと現実離れした感覚に包まれる。休みって取ろうと思えば、ほんとに取れるもんなんだな。

 18時30分、出国審査。久し振りなもんで、少々ドキドキ。いくつかある列に並ぶが、ここでも運悪く、また前がまたラブラブカップル。今度はGainerクンとviviチャン。パスポートとエールフランスのチケット片手に周りもはばからずジャレついている。ってことは南の島だな、こりゃ。すっげー楽しそう。そりゃそうだ。俺だって同じ立場なら周りなんて見えんわな。お約束のsonyハンディカムで「今から飛行機に乗りマース。○○クーン、はーい、こっち向いてー」なんて始めちゃう。するとキャリアバリバリといった感じの女性審査官から、「ここは撮影禁止です。撮るのやめて。」と一喝。しかし二人とってそんな小さなことは関係ない。「○○クン知ってたー、撮っちゃ駄目ってぇー? うっそー、そうなのー? もー、教えてよー」。…………。

 厳しい女性審査官をパスすると手荷物検査。そう、「何も悪いことしてないけどなんか緊張するのはなんで?ゲート」です。「ピーッ!」と鳴ったのはマユゲの頭の中だけで、無事通過。搭乗までの時間は、搭乗ゲート付近のコーヒーショップで、またちょっとブレイク。

 このあたりまでくると、国際空港っぽくなってくる。見慣れない制服の外人スチュワーデス、中近東系ファミリー。トランジットと見られる外人の旅行者がベンチ4コ分くらい使って寝ている姿も。俺も卒業旅行のときやったなー。空港で一晩明かすのって、実は結構寒いんだよなー、エアコンききすぎで。バンコクだったかな、カルカッタだったかな? あんときのハチャメチャ紀行、楽しかったな……。

 ふぅー。

 煙草のけむりを見ながらぼんやりと思い出す。

 煙草といえば、空港の中ってのは吸える場所がすごく限られているんだね。さっきチェックイン後、喫煙所で一服してるときに、超ド派手な自営業社長夫人といった感じの御婦人も、のたまっていた。「まったく最近の飛行機ときたら全席禁煙なんてなっちゃって、あったま来るわねー。喫煙・禁煙で分けて、空気きれいにする機械つけりゃいのよ。じゃないと乗ってやんないわよ、っつーの」。言い過ぎじゃないですか、それは。寝ているあいだの時間はいつも吸わずに過ごせているわけですから。

 20時00分、離陸。あいにくの荒天のなか機体は滑走路をのろのろと進む。離着陸が相当混んでいるようだ。窓からすぐ前にいる飛行機が見える。こうやって目前にすると、これを造った人はすごい、操縦しちゃう奴はもっとすごい、もっと言えばライト兄弟は偉い! つくづく思う。今は電車やバスと同じように移動の足として当たり前のものになっているけど、これが飛んじゃうんだから、やっぱすごいよ。今の時代に生きているからこそ、こうやってみんな簡単に海外旅行とかできちゃうんだもんな。大航海時代じゃ、こんなちっぽけな庶民は外国にいったりできなかったろうに。

 離陸後まもなく、台風9号の影響か、機体が結構激しく揺れた。暗くて見えないけど、外はどんなふうになってんのかね? 降りて見てみたいもんだ、なんてくだらないこと考えたり……。

 スチュワーデスはみんな日本人に見えるけど、みんな英語で話すので、本当にそうなんだろうかと思っていたら、ちょうど飲み物は何がいいか英語で聞かれた。これはチャンス。日本語で「お茶はありますか?」と聞いてみたが、なんと通じない。そこで英語で聞く。しかし、ないときた。こうなるとビーラー魂に火が点きます。

 「Then..., BEER、プリーズ!!」


さすが成田線、Asahiがあります。

 ビールを飲み干したマユゲ、スチュワーデスもきれいな人ばっかりだし、ひとりひとりの座席で好きな映画を見れるし、nintendoのゴルフゲームとかもできちゃうし、しばしシンガポール航空を満喫。

 そして時差マイナス1時間分腕時計を調整し、日付の変わった8月14日午前1時30分、いよいよシンガポール・チャンギ国際空港に到着。飛行機の出口に立って見送るスチュワーデスは、加藤紀子似の本日ナンバーワンにきれいな人だった(別に加藤紀子が好みなわけではないんだが)。

 「ありがとうございました」

 おっ、この流暢な日本語、この発音ってことは、彼女は日本人だったんだ。なーんだ。……ってどうなるもんでもないだけどね。

 さあ、今回の旅の1ヶ国めに入国だ。(つづく)
2000年8月13日(日)

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